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1984年の著作なので、『ポルターガイスト』でのオカルト現象支持派への転向後の作品ということになる。だが、以下で紹介するように、CWはそれほど信じ込みやすいタイプの人間ではなく、本当に納得が行くまでは自説を容易に変えない。翻訳は荒俣宏が監訳者となって、まえがきを書いている。翻訳は梶元靖子。
原題はThe Psychic Detectivesとあるので、小説かと勘違いしてしまう可能性もあるが、そうではない。オカルトの百科全書的作品の一つ。透視や霊視によって殺人事件を解決する霊能者に関する本。オカルト関連の著作との重複も多いが、本書の特徴となる箇所を中心に紹介することにしよう。 冒頭では、CWがオカルト現象につきまとう虚言と誤魔化しについて述べている。ポルターガイスト現象の事例として、CWは「レスター・マーキュリー」紙にジョン・マックリンという記者の記事に眼を留めるが、死亡してポルターガイスト現象を起こした人の名前が仮名になっていて、さらに教会の名称まで仮名。CWの妹からさらにこの記者の切り抜き記事が送られてきたが、同様に本当かどうかを確かめる手段をまったく与えないものばかり。CWはこのやりかたは良心的ではないと直接にこの記者に指摘したが、相手は逆に怒り出してしまったらしい。 ライアル・ワトソンも『生命潮流』の最初の箇所でテニスボールの表と裏を逆転させてしまう五歳の少女クラウディアが紹介されているが、CWが詳細を尋ねてみると、答えは曖昧だったので、その真偽をCWは疑っているらしい。 その一方で、科学者たちはオカルト現象をはなからまったく信じないで、何の検討もしないで否定しているという現状。 CWはこういう惨憺たる状況を克服すべく、もっと冷静な態度で問題に対処すべきだと薦めている。このあたりは本当に良識ある人物であることがわかる。 その起源として、前半で扱われるのは、サイコメトリーという表現を使い出したジョゼフ・ブキャナンとその弟子ウィリアム・デントン。ブキャナンは医学部の教授、デントンはボストン大学の地質学の教授である。ちなみに、サイコメトリーとは魂の測定の意味。 後半では、霊能力を使って犯罪者を探し出す人々について論及されている。最近、日本でも、そうした能力の持ち主がTVで犯罪捜査のために呼ばれている。 サイキック探偵(考古学・捜査協力): ステファン・オソヴィエッキ ……1877年モスクワ生まれで、ポーランドで活躍。コペルニクスを霊視して、コペルニクス自身の肖像画の真贋を確かめた。さらに考古学者ポニアトフスキーと協力して、有史以前の歴史の謎にその能力を応用した。 エドガー・ケイシー …… 1877年生まれのアメリカの霊能力者。催眠状態に陥って、輪廻転生の話を語ったり、さまざまな霊視を行った。サハラ砂漠が古代には水に恵まれた肥沃な大地だったこと、エッセネ派に関する所見などを発表している。 ピーター・フルコス …… オランダ出身。1941年に30歳のとき、家屋塗装業者として、ペンキを塗っていたところ誤って4階から墜落して、脳震盪のために4日間意識不明に。回復後にサイキックの能力に目覚める。 ジェラール・クロワゼ ……オランダ出身。オランダ警察に捜査協力。アメリカの少女エディス・キーコリアス失踪事件では、アメリカに行かずに、少女の写真と地図だけで捜査を進展させる情報を与えている。 エステル・ロバーツ ……イギリスの著名な霊媒。モウナ・ティングズリー殺人事件で捜査協力。自伝『霊媒生活五十年』。 CWはロブ・クラックネルというイギリスのサイキックの自伝『未知へのてがかり』に序文を書いている。そのことから、TVプロデューサーにクラックネルを犯罪捜査の役に立てることはできないかと紹介している。近頃の日本での犯罪捜査番組の走りのようなことにCW自身が関わっていたのである。
by taxi1729
| 2004-07-03 04:22
| オカルティズム
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