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→入手は可能。サンリオSF文庫だったが、絶版。
学研文庫『魔道の書ネクロノミコン』の序論として再録。 →ジャンルは「文芸評論・オカルト」。 →評価:A 久しぶりに『SFと神秘主義』を再読。少し、メモを取っておくことにしよう。 評論 「ラヴクラフトと『ネクロノミコン』」は、収録された評論と短編小説の中でも、かなり内容が濃い。この評論は最初に『魔道の書ネクロノミコン』として訳されている本の序文として書かれたもので、『SFと神秘主義』がサンリオSF文庫で絶版となってからも、学研の『魔道の書ネクロノミコン』で読むことができる。訳者はどちらも大瀧啓裕。 この評論の魅力は、ラヴクラフトに関するCWの個人的な感想というだけではなく、ラヴクラフトの創作とされてきた「ネクロノミコン」がヨーロッパの魔術の伝統の流れの一つの帰結であることが判明することにある。 CWはオーガスト・ダレスと交友を結び、それがきっかけで怪奇小説を書くことになる。 ラヴクラフトは天文学が好きで、怪奇小説は執筆したものの超常現象そのものには懐疑的で、どちらかというと科学的な考え方をしていた。ラヴクラフトは人種的な優劣感が強く、異民族を蔑視していた。 短いニューヨークでの結婚生活があったが、その後に離婚して、帰郷することになる。 ラヴクラフトを初めてCWが手にしたのは1959年の夏に(コーフ城の傍にある)友人のマーク・ヘルファーの農場に妻のジョイと滞在したときのこと。ぼろぼろの古本だったが、CWはアウトサイダーという同名の小説を見つけて、ラヴクラフトの小説に熱中することになる。その帰り道に、CWは車の中で妻にラヴクラフトについてずっと話し続けて、そのうちに『夢見る力』の構想が固まっていった。 『迷宮の神』の執筆中に生じた既視感。アイルランドの橋について実際に地図で確かめてみると、当時でなければわからなかったことまでCWが知ってしまったことが判明する。この既視感がラヴクラフトやマッケンの発見した能力なのではないか、とCWは考える。 『迷宮の神』の不死鳥教団はボルヘスからCWが取り出したものだが、フランシス・キングから実在した孔雀教団との関連を指摘される。 アーサー・マッケンとラヴクラフトの類似性だけではなく、CWはクロウリーとラヴクラフトの類似性を指摘していた。また、ブラヴァツキーの語った神話(「ドジアンの書」)との関連もCWは指摘している。 ラヴクラフトの父親ウィンフィールド・ラヴクラフトが(一般のフリーメイソンとは異なる)エジプト・フリーメイソンの会員であったことが発覚して、ラヴクラフトの怪奇小説のもととなった「ネクロノミコン」のもとになった魔術書が存在することがわかってくる。しかも、ネクロノミコンのもとはジョン・ディー(1527~1608)によって翻訳されていた可能性も出てきた。 父親ウィンフィールド、母親スージー → ハワード・フィリップ・ラヴクラフト 父親ウィンフィールドはビジネスマンとして活躍したが、H・P・ラヴクラフトの若いころに梅毒の為に死亡。ウィンフィールドがネクロノミコンのもととなる文書をラヴクラフトに残したのではないか、と推測される。 スタニスラウス・ヒンターシュトイザー博士:ウィンフィールド・ラヴクラフトがエジプト・フリーメイソンの会員だったことをCWに知らせた人物。 ロバート・ターナー:『ネクロノミコン』の注解。CWの指摘から、「ネクロノミコン」と「ドジアンの書」の関連を思いつく。 スプレイグ・ディ・キャンプ:ラヴクラフトの伝記作者。
by taxi1729
| 2004-07-07 16:40
| CW読書室
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