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![]() 冒頭で触れられているように、CWの犯罪への関心は『アウトサイダー』でヴィクター・ゴランツによって削除された「ファウスト的アウトサイダー」という章から始まる。この文章の一部は『殺人百科』に収録されている。……日本語版では、抄訳のため掲載されていない。 注:この章では、ドッサーは『暗黒のまつり』については触れていない。『暗黒のまつり』は、主人公ソームがたまたま美術館で知り合った男性がホワイトチャペル界隈で連続殺人事件を起こしていた、という物語で、犯罪者心理への強い関心をすでに示していた。 子供時代からCWは殺人事件を扱った「トゥルー・ディテクティブ」という雑誌の熱心な読者だった。 『殺人百科』では、殺人事件の事例は実存主義を論じるための具体例を提供してくれるものである、と論じられている。殺人は自由を求めた一つの結果なのである。 ドッサーは実存主義の考えを見出すことができるものとして、レオポルドとローブの事件を取り上げている。彼らは裕福な家庭で育ちながら、ニーチェ哲学を信奉するようになり、自分たちが道徳と法律から解放されていると考えるようになる。そして、少年を誘拐して殺害するという完全犯罪を計画したが、殺害後にいろいろとぼろを出してしまい、逮捕されることになる。この二人組みの中で、一方のローブが支配的で、レオポルドはローブに魅了されて付き従う。この構図は荒地殺人事件の二人組みの犯人イアン・ブレディとマイラ・ヒンドレーの関係とよく似ている。 1961年の段階では、殺人を三つに分類する。第一のものは、人生の苦しみを深く感じたために自由を求めた結果として生じる殺人。第二のものは、活力を発散する場所がないために、非行少年が行うようなタイプの鬱憤晴らしの殺人。第三のものは、残忍な性格によるもので、相手の苦しみを理解しない殺人。 61年の時点では、無動機殺人と性犯罪について、CWはまだ十分に議論を深めていない状態にあった。 1972年の『純粋殺人者の世界』(改題『現代殺人の解剖』)では、1911年の当時の殺人と比較して、1970年ごろの殺人では知能犯によるものが増大している、と論じられる。その一つの起源として、CWはアサシンという暗殺の言葉の語源となった回教徒の一宗派のことを取り上げる。その創始者ハサン・サッバーフはアウグスティヌス的な宗教的情熱とレーニン的な政治的鋭敏さを備えていて、大臣や貴族を暗殺することで社会的不安を与えることに成功した。 ダン・マクドゥーガルド:アメリカの弁護士だが、犯罪者心理を研究。「否定的な阻止現象」を指摘。 A・E・ヴァン・ヴォクトの正義漢。CWは彼の影響で小説『殺人者』を執筆。正義漢とは、世間の評判は温厚で紳士的と評されながらも、実は家庭内では自分に絶対服従を強いる男性のこと。ピーター・キュルテンなど、このタイプの犯罪者も多い。 CWは96巻からなる「犯罪と罪」(Crimes and Punishment)の編集顧問で執筆者。 ■
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by taxi1729
| 2004-07-12 22:09
| 殺人研究
![]() 1960年に出版された『殺人百科』の続編で、1983年の出版で、『殺人百科』以降の主要な殺人事件についての事典。チャールズ・マンソン、テッド・バンディ、ピーター・サトクリフ、ゾディアックといった殺人者たちが論じられている。いまやこうした殺人も、詳しい本が書かれたり、いろいろな反響も生じているため、古典的な殺人犯と感じられるものがある。出版当時は新しい犯罪を網羅する本として貴重な一冊だったはずである。殺人辞典という体裁だが、この本を通読すると、連続殺人犯の異様な心理に肉薄したことで、重い気分になりながらも、CW特有の切り込みによって冷静に犯罪の詳細をたどることができる。 殺人に関する考察は前書きの「殺人の時代」にある。「動機のない凶暴性を特長とする犯罪がますます増加傾向にある」と分析している。『殺人百科』は古典的な印象が残るが、本書は21世紀に至る新しい犯罪者の像を的確に与えてくれる。 マスロー ルソー ダン・マクドゥーガルド [ネタバレあり] 残虐な殺人事件がいろいろと取り上げられているが、読んでいてゾッとしたのは、チャールズ・ホイットマンの事件。突如焦燥感に駆られるようになって、テキサス州の大学の塔から18人を射殺。その後、彼の遺体から、脳腫瘍が発見されたらしい。脳腫瘍で意識障害を起こしながら、いつのまにかに大学の塔から人々を銃殺していく、という話は、意図的に連続犯罪を続ける殺人者とは違って、どこかで悲哀を感じてしまう。 ■
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by taxi1729
| 2004-07-03 04:11
| 殺人研究
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